FFXにおけるダーク召喚獣の正体についての考察

本ページはFINAL FANTASY X(以降FFX) International版より追加されたイベント、ダーク召喚獣イベントについて、作中で確認できる少ない情報からこれらの正体に迫る。

注意事項

  • 本ページにはFFX、及びFFX-2に関するネタバレが多く含まれるため、攻略後の閲覧を推奨する。
  • FFXの用語は解説無く使用する。(分からない用語は各種攻略本やファイナルファンタジー用語辞典 Wiki等で確認すること。)
  • ▶のマークがある場合は、マークをクリックすることで詳細を展開できる。
  • 本考察は妄想であり、公式設定ではない。

ダーク召喚獣イベントの概要

ダーク召喚獣はマカラーニャ寺院でシーモアを倒し反逆者となった後、ユウナ一行を処分するために各地に派遣された召喚士の召喚する召喚獣の総称である。
個別の召喚獣はヘレティック・XXXという名前となっている。
これらの召喚獣は以下のような特徴がある。

  • 通常プレイで手に入れられる召喚獣と同じ容姿であり、黒と緑を基調とした2ndカラーをしている。
  • ナギ平原 訓練場モンスターと同等またはそれ以上の強さを持つ。
  • 基となった召喚獣とは別個体。(後述)

全てのダーク召喚獣を撃破すると飛空挺の行き先にデア・リヒターが追加され、デア・リヒターと戦闘できるイベントが発生する。(後述)

ダーク召喚獣の妨害により、アルテマウェポンやアニマ、シューティング・パワー、陣風(何それ?)の入手が遅れる可能性がある。

ダーク召喚獣の謎

ダーク召喚獣にはいくつかの謎がある。以下に列挙する。

Ⅰ) 基となった召喚獣と別個体

ダーク召喚獣戦では、基となった召喚獣を召喚できる。
もともと召喚士がある召喚獣を召喚している間、別の召喚士はその召喚獣を召喚できないルールがある。
つまり、基となった召喚獣が同時に存在できるということは、ダーク召喚獣が「エボン=ジュによる憑依やシューインによる支配と違い、基の召喚獣を変質させたものでなく、基の召喚獣とは個体の違う独立した召喚獣」であることが分かる。
だがその場合、複数の不審な点がある。

ヘレティック・メーガス三姉妹戦では、メーガス三姉妹以外でリトルナーレ→シュメルツェンド→デルタアタックを受け切るのはほぼ不可能。

Ⅱ) 召喚する者とされる者

ダーク召喚獣が召喚獣の一種であるとすると、ダーク召喚獣は他の召喚獣の例に漏れず、召喚獣を夢見る祈り子とそれを具現化する召喚士が必要である。
しかしながら、作中ダーク召喚獣の祈り子は登場しない。
また、ダーク召喚獣の登場シーンを見返すと、ユウナ一行にダーク召喚獣をけしかける人物は存在しても、召喚自体をしている人物は登場しない。
ヘレティック・バハムート、ヘレティック・アニマに至ってはけしかける人物すら存在しない。
これらの召喚獣を召喚しているのは一体誰であろうか。

ダーク召喚獣は召喚された状態で戦闘に突入する。

刺客は基本的にエボン関係の容姿をしているが、マグの刺客は一般人である。

Ⅲ) ダーク召喚獣の創造された時期と目的

ダーク召喚獣が創造された時期と目的についても謎が残る。
ユウナ一行を処分するためにダーク召喚獣を使役することと、ダーク召喚獣を生み出した理由が一致するとは限らない。
むしろ別の目的に使われていたダーク召喚獣をユウナ一行の処分に使った可能性の方が高い。
もしユウナ一行に当てる為にダーク召喚獣を創造したのならば、たった数日、数ヶ月前にザナルカンドに向かった人物についての情報が無いことはあり得ない。
しかし、霊峰ガガゼトを守るロンゾ族、祈り子を作ることの出来るユウナレスカからそのような発言はなく、エボンドームに記録も残っていない。
ダーク召喚獣はいつ、何の目的で創造されたのだろうか。

人の出入りがほぼ無い魔天で待つバハムートと、試練のリトライが必要なアニマ。刺客のいないこの2体がユウナ一行を襲う理由は何であろうか。

Ⅳ) ダーク召喚獣の祈り子の創造者

本編で祈り子を作ることが出来ることが説明されたのは2名、ユウナレスカとエボンだけである。
そして10年前に想像された究極召喚獣、アニマを基にしたヘレティック・アニマを生み出せるのはユウナレスカしか居ない。
しかし、ユウナレスカは『シン』の討伐についてはむしろ肯定派であるにも関わらず、『シン』の討伐に有用であるはずのダーク召喚獣について前述の通り一切言及しない。
(ダーク召喚獣イベントがオリジナル版にはなかったため、というメタ的な理由は除外する。)
では何故、ユウナレスカはダーク召喚獣について言及しなかったのであろうか。

『シン』の仕組みを知る者ほど思考が極端になるだけで、スピラの幸福を願うのは一般的なスピラの民と変わらない。

Ⅴ) 既存の召喚獣と同じ容姿

そもそもFFXにおける召喚獣は、「祈り子の見る夢が、召喚士の力によって幻光虫と結びつき、実体化した姿」である。
とするならば、ダーク召喚獣の祈り子はわざわざ既存の召喚獣と同じ姿を夢見ているわけである。
既存の召喚獣と同じ姿をすることに何の意味があるのだろうか。
また、同じ姿にする理由があったとして、他の祈り子の夢(召喚獣の容姿)をあれだけ正確に再現できるのだろうか。

アニマに至ってはシーモア母の生前の姿を映したネックレスすら再現している。他人がわざわざ再現するアイテムではない。

Ⅵ) デア・リヒターとの関係性

デア・リヒターはダーク召喚獣と深い関わりがあることは容易に想像できるだろう。
しかし、ダーク召喚獣と同じく、その素性を調査するには情報が足りなさすぎる。
作中で分かることは、空を飛んでいること、本体(上半身)、本体(下半身)、右腕、左腕の4つのパーツからなることと、腕が幻光体ではないことくらいである。
デア・リヒターは一体何なのだろうか。そしてダーク召喚獣とどのような関連性があるのだろうか。

デア・リヒターはザナルカンド方面から飛来し、ザナルカンド製の機械特有の円盤を持つ。
ザナルカンドと深い関わりがあると考えられる。

ダーク召喚獣の正体についての考察

ここまでの謎を踏まえ、ダーク召喚獣の正体を以下のように考察する。

Ⅰ) ダーク召喚獣を生み出したのはユウナレスカではなく、訓練場のオヤジ(以下トレマ)である。

ダーク召喚獣を生み出した人物がユウナレスカではなく、トレマであるとすると全ての辻褄が合う。
ダーク召喚獣を生み出すためにザナルカンドを訪れた者がいた形跡がないのは、そもそもダーク召喚獣がザナルカンドで創造されていないからであろう。
すると、あれだけ強力な召喚獣を作れる可能性のある人物はトレマのみだと考えられる。

なお、これらの祈り子が作中登場しないのは、訪れる事の出来ない場所に安置されているからであろう。
歴代の究極召喚獣の祈り子が作中登場しないのと同じ理由だと考えられる。

真実運動でベベルの中枢へ出入りしていたことから、公になっておらず、比較的新しく創造されたアニマについても知っていることは想像に難くない。

Ⅱ) ダーク召喚獣は『シン』を討伐する訓練のため、仮想『シン』として創造された。

トレマがモンスター訓練場を運営しているのは、討伐隊の訓練のためである。
ダーク召喚獣とエボン=ジュが憑依した召喚獣の容姿が同じことから、ダーク召喚獣は『シン』討伐訓練のため、仮想の『シン』として創造されたと考えられないだろうか。
そうするとトレマ、モンスター訓練場、ダーク召喚獣が繋がるのである。

ユウナもエボン=ジュが憑依した召喚獣を「小さな『シン』」と評している。

Ⅲ) デア・リヒターは『シン』と同じく、内側と外側で別々の機能を持つモンスターである。

デア・リヒターの消滅モーションを見ると、腕は爆発し消滅(幻光虫無し)、本体は縮んで最後に少量の幻光虫を放つことが分かる。
ということは、内側と外側で別のモンスターであるとは考えられないだろうか。

デア・リヒターの腕と本体(外側)は幻光虫を一切放たないが、リンカーネーションで復活したり、本体が縮んだり、機械とはまた違う性質を持つ。

斬魔刀で倒すと、下半身も上半身と同様の特性を持つことが分かる。

デア・リヒターが消滅する寸前にようやく少量の幻光虫が放たれる。

Ⅳ) デア・リヒター(外殻)は機械兵器を模した召喚獣である。

デア・リヒターの腕は消滅時、幻光虫を放出せずに爆発するが、一方で本体のリンカーネーションにより召喚されたように再登場する。
本体も消滅ギリギリまで幻光虫は放出しないが、召喚獣の消滅と同じくメタリック体となる過程がある。
この機械と召喚獣の両特性を持つ創造物が、実は作中にもう一つ登場している。夢のザナルカンドである。
夢のザナルカンドが『シン』に襲撃された際、幻光虫を一切放出せず爆発しながら崩壊していく。
しかし、作中で語られるとおり夢のザナルカンドは間違いなく召喚された幻光体である。
このことから、祈り子が機械を夢見て、それを召喚した場合、デア・リヒターのような機械と召喚獣の両方の特徴を併せ持つ創造物になるのであろうと考えられる。

ザナルカンド崩壊時、機械は爆発し、石像は崩れる。
現実世界で起き得る現象が正しく再現されている。
もしかすると、召喚獣が倒された際の幻光虫の放出は、召喚獣の姿を保てなくなったからではなく、単に魔物が倒されたときの再現の可能性がある。

デア・リヒターの基となったのは、ザナルカンドとベベルの機械戦争の兵器であろう。
その時に出来た胸の傷を、召喚獣化したときに再現したのだと推察する。

なお、デア・リヒター(Der Richter)はドイツ語で裁判官の意味である。
FFシリーズで召喚獣、機械、裁判官といえば、「聖なる審判」で馴染みあるアレクサンダーがいる。
FFX用にアレンジしたオマージュなのかもしれない。

Ⅴ) デア・リヒター(コア)はエボン=ジュと同じ、召喚士の能力を持つ幻光体である。

デア・リヒター(コア)はトレマが創造したダーク召喚獣を召喚するために創造された召喚士型のモンスターであると考えられる。
おそらく訓練場から逃走したモンスターのうちの1体であろう。
ダーク召喚獣の全滅を察知しデア・リヒター(外殻)を召喚、憑依したと考えれば、デア・リヒター出現のタイミングと矛盾がない。

あとがき

アルティマニアΩの書籍持ってるけど電子書籍化してほしいなぁ。



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